2017年5月18日、19日、有楽町の東京国際フォーラムで「Human Centric Innovation:Digital Co-creation」をテーマに、「富士通フォーラム2017」が開催されました。
スポーツコーナーでは、未来の観戦体験をはじめ、『3Dセンシング』技術を用いた体操競技の採点支援技術や、複数の映像からスタッツや映像を自動生成する『自由視点』技術などを展示し、多くのお客様にご来場いただきました。
スタジアム・アリーナを中心に拡がる、きめ細やかな来場者サービス
ミニステージでは、地方創生の起爆剤と期待されるスタジアム・アリーナを想定した未来の観戦スタイルを紹介しました。マイナンバーによる本人確認でチケットを購入、チケットレスの入場口では川崎フロンターレ仕様のメディエーターロボットの「ロボピン」がお出迎え。多言語に対応したスムーズな座席誘導や、座席での飲食オーダー、座席へのデリバリー、そしてトイレの混雑状況も把握できる様子をお伝えしました。
さらに、イベント終了時の混雑緩和も視野に入れ、近隣飲食店のクーポンを表示する行動提案など、来場者一人ひとりに行き届いたサービスで、スタジアムの外でも安全・快適に利用できる環境を紹介しました。
1秒間に230万回スキャンし選手の動きを数値化&映像化
「体操ニッポンと創るスポーツの新しい世界」のコーナーでは、『3Dセンシング』技術を使用した体操競技の採点支援システムを展示しました。
最近の体操競技は、ひねり王子こと白井選手に象徴されるように、選手が繰り出す技の進化が非常に速く、それを審判員は目視で、しかも大会進行を遅らせることなく限られた時間の中で、判定・採点を行っています。
また、それに加え4年に一度のルール改訂があります。
一方で、難しい技になればなるほど「すごいと思うけど、速すぎてよくわからない」といった観客やファンの声も耳にします。
こうした現状を受け、富士通は独自の技術を開発、その技術の適用例として今回体操競技の採点支援システムを展示しました。
このシステムは、一秒間に230万回のレーザーを照射することにより、選手の動きを3次元でとらえるレーザーセンサー技術、センシングしたデータから骨格の動きを推定しデータ化する技術、そのデータをCGでビジュアル化する技術から成り立ちます。
また、この技術により、観客やファン向けに体操を楽しむためのデータ、例えば、最高到達点や回転数などの情報を提供することが可能になります。
さらには、スポーツを「する(選手)」へとサービスを提供し、選手は自身のパフォーマンスをデータで確認し、さらなる技術向上をサポートしていきたいと考えています。
富士通は、ICTで「みる(ファン)」「する(選手)」「支える(審判員)」のさまざまなシーンで、これからもスポーツを盛り上げていきます。
人とボールの動きを正確に把握する、高度なトラッキングシステムを実現
1チーム5人、フィールドにいる10人のプレーヤーが、狭いエリアで激しく入れ替わるバスケットボール。ボールや床、ユニホームの色などが似ているので、それぞれの動きを識別するのが難しい分野でした。富士通は、無数の画像データを学習させるなどして、高度なトラッキングシステムの開発に成功しました。選手やボールの動きを正確に把握し、複数のカメラ映像をもとにスタッツや映像を自動生成することができるようになります。この技術は、「JBA/B.LEAGUEと創るスポーツの新しい世界」というテーマで展示を行いました。
選手やボールの動きを正確に識別できるので、シュートがどこから成功しているか、特定の選手の映像だけを抽出することも可能となります。こうしたデータ分析が進めば、チームとして科学的なトレーニングが容易にできるようになると考えられています。
異なるアングルのカメラ映像をもとに、自由な視点から観ることのできる映像を作り出す技術も開発が進められています。固定カメラの視点ではなく、選手にフォーカスしながら自由なアングルで、迫力のある映像が楽しめる未来へ。新たなスポーツ観戦のスタイルを築き、競技の発展につながることも期待されています。
富士通は人を中心とした「ICT」で、スポーツに携わるお客様やパートナーとともに新たなイノベーションを生み出すこと、そして、大会後もスポーツの力で誰もが幸せに暮らせる、豊かな社会に貢献していくことを目指します。